1. オリエンテーリングとは?

このページでは、オリエンテーリングがどんなものなのか、競技種目間の違いもまじえて具体的に説明します。

オリエンテーリングとは

オリエンテーリングは、フィジカルな要素と思考力を使う要素を組み合わせたスポーツです。 基本的には地図とコンパスを使って指定されたポイントを指定されたポイントを地図に定められたとおりの順番で 通過し、ゴールを目指すものです。 順位は、正しくポイントを通過したものの中から、ゴールまでの時間が一番短かった順番となり、正しくポイントを通過していない者は 失格扱いとなります。 タイムを競ってシビアに走っている中で、最適なルートを考え、素早く判断することが求められるのがオリエンテーリングの特徴といえます。 必要となる道具はポイントを正しく通過したことを証明する器具(Eカード、SIカードなど)とコンパスだけであり、お金があまりかからず、 身体的な能力だけで結果が左右されるのでなく、読図力や判断力なども問われるため、老若男女を問わず始めるハードルの低い競技と言えるでしょう。

競技種目について

オリエンテーリングはもともと北欧で、軍の訓練のために山の中で行われたのがはじまりです。 今日では、伝統的な森林の中で行われる長距離種目であるロングディスタンス部門から、 一般の市街地などで行う比較的短い距離の種目であるスプリント部門、競技時間の代わりに通過したポイントに示された点数の 合計を競うスコアOなどに到るまで様々なバリエーションがあります。また、マウンテンバイクやスキーを使ったオリエンテーリング種目も有りますが、 基本的には競技者は自分の脚で目的地を目指すことになります。さらには夜間に行うオリエンテーリング(ナイトO)など、状況、場所、距離、点数化の方法 、使用するツールなどありとあらゆる条件でオリエンテーリングは行われています。

主な種目

以下ではもっとも一般的な"脚"を使うオリエンテーリングについて、競技種目の例をあげます。

ポイントO

もっとも一般的な種目です。地図上の指定のポイントを順番通りにまわり、ゴールまでのタイムを競います。

スプリント

短い距離(優勝タイム10数分程度)で競います。場所は公園や市街地など人工的なスポットが採用されることが多く、 地図も1/5000程度の狭い範囲で走ります。競技時間の短さや人工物特有の遮蔽物、さらに人工地ゆえの立入禁止区域 の存在も相まって非常に正確な読図を必要とします。瞬発力と正確性の両立が鍵となる競技種目です。

ミドルディスタンス

スプリントよりは長く、ロングよりは短い、ゆえにミドルというネーミングです。距離は、優勝タイムが30分前後となるように設計されます。 上記のスプリントが有名になるまでは、このミドル種目がスプリントないしショートと呼ばれていました。このミドルとロングは主に山、森で行われます。 ロングより短い分、少しのミスが大きく響く種目です。ポイント間の距離が短い分、ルート選択より判断の早さ、 ナビゲーションの正確性に比重が置かれます。

ロングディスタンス

山の中で行う、古典的オリエンテーリングの姿勢をそのまま受け継いでいるのがこのロング種目です。ポイント間の距離が長い場合が多く、 ポイント間を直線で結んだルートが最善でない場合が多く、大局的な視点とルート選択が勝敗を分けます。長距離を走り抜ける持久力、ルート選択のアイデア、 長距離を確実に結ぶナビゲーション力が問われる王道の種目と言えるでしょう。

リレーO

基本的なルールはポイントOに準じます。何人かの走者がそれぞれ同じ場所の、異なるポイントを指定された地図を用いてまわります。距離はおおよそミドルの規模で、 走者全員の合計タイムを競います。したがって、一人でも失格者が出ればそのチーム全体が失格となります。それゆえ、より慎重なルートが選ばれやすい傾向にあります。 基本的に個人戦のオリエンテーリングにおいて、チーム力を問われる団体戦ができる数少ない種目です。

スコアO

制限時間内にポイントを回り、ポイント毎に難易度、スタート地点からの距離等に応じて設定されたスコアをもっとも多く回収したものが勝利する形式で、制限時間を過ぎたもの には相応のペナルティーが科せられる形式です。今回開催する仙台ロゲインもこの競技形式を取っています。ロゲイン"RoGaiNe"とは、この形式を発案した Rod Phillips, Gail Davis, Neil Phillipsの頭文字をとったのが由来ですが、その性格をもじって"Rugged Outdoor Group Activity Involving Navigation and Endurance"というバクロニムが与えられています。

トレイルO

トレイルOはどれだけ正確に地図と実際のポイントを照会できるかを競う競技で、基本的に制限時間はありません。 プレイヤーは最初に地図を与えられ、そこにはポイントとスタート、フィニッシュの位置が示されており、各ポイントには 複数のフラッグが設置してあります。その中から、地図に書かれたポイントの円の中心にあるものを選ぶ(正答のない場合もある)形式です。 スタートから全ての回答を終了するまでの時間が計測され、得点が同じ場合は時間が短いものが上位になります。 曖昧な地図読みでは完答するのは難しいので、技術向上にも大いに役立つ競技と言えるでしょう。

オリエンテーリングの醍醐味

オリエンテーリングはルートが自由に選べるので、“足の速さ”で順番が決まるわけではありません。むしろ、走力が一定の水準にあれば、判断の速さ、読図の正確性の方がタイムに 影響しやすいくらいです。個々の能力に合う、最適なルートをいかに早く見つけ出し正確に辿るかが鍵となります。時には走力を生かして道を走り、 時には最短距離を狙った森の中を直進し、時には高低差をなくすように等高線をたどる、といったルートの判断が問われるところが、オリエンテーリングの面白さと言えるでしょう。

こんな人におすすめ

オリエンテーリングはいわゆるカレッジスポーツで、活動している人のほとんどが大学から始めています。走りたいけどトラックはもうお腹いっぱい… …というように、運動部の中で迷っている人、 運動は得意ではないけど体は動かしておきたい..と思っている人にも自信を持って勧める事が出来ます。 他にも、ト●ロや他のジ●リ映画などを見るよりはるかに近くで自然を目の当たりにする事が出来るので、自然と親しみたい人にもおすすめです。 また、オリエンテーリングの性質上、競技できる場所が限られるという難点があります。しかし、仙台市は幸い都市にはめずらしく森が多く存在し、 オリエンテーリングの出来る場所が揃っています。そういう意味では東北大の全てのみなさんにお勧めできると言えます。

地図の見方

オリエンテーリングで使用する地図は、競技の性格上一般のそれよりはるかに多い情報量を持っています。そんな地図の情報についてご紹介します。

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